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先日NHKスペシャルで放映されたこの番組、正直ショックを受けた。
この番組により、大雨による土砂崩れのイメージは一変。
これまでの常識を超えた規模の土砂災害が増加している。
番組紹介はこうだ。
異常気象がもたらす記録的な豪雨が、土砂災害の概念を大きく変え始めている。
昨夏、台湾南部のなだらかな山が、大雨によって頂上付近から大崩壊を起こした。
深層崩壊と呼ばれる巨大土砂崩れが、集落を襲い500人の命を奪ったのだ。ハザードマップで安全とされていた場所で発生した大災害は、日本の防災関係者に大きな衝撃を与えた。
実は台湾と類似した地形の多い日本でも、深層崩壊は頻発し始めている。専門家による調査で次々と危険箇所が見つかる中、新たな災害から住民の命をどう守るか、対策の最前線を追う。
この台湾で起きた大災害は山全体が崩れたもので、なんと幅1キロ、長さ3キロの土砂が500人を飲み込み村が消滅した。
注意すべきことは、深層崩壊はなだらかな斜面でも起きること。
重力によって地層が湾曲して生じる岩盤クリープが原因だ。
クリープした場所に大量の雨が浸透し、地層深部から一気に崩壊する。
日本でも温暖化により集中豪雨が増加し、近年増加傾向にある。
400ミリ以上の大雨はこの10年で年10回以上。
それ以前と比較すると倍増している。
日本全国に危険箇所が存在すると言われている。
しかもこの被害は土砂の直撃を受ける場所だけではない。
大量の土砂が一時川をせき止め、その後決壊して下流地域を襲う。
実際に台湾ではこれにより下流域が洪水の被害を受けた。
恐るべき「深層崩壊」。
今後日本のどの山で起きる危険性があるのか?
岩盤クリープの調査が進んでいるらしい。
ただ、深層崩壊に対処するにはとにかく早めに避難することだ。
住民自ら住んでいる地域のリスクを把握する必要がある。
気候変動に対応した新しい防災対策が問われている。
前編では先住民居留区での天然ガス開発に反対するシャイアンの人々や、アラスカ北極圏の自然保護区内カリブー繁殖地の油田開発に反対する先住民を紹介。
そして後編では、ナバホ居留区でのウラン鉱山開発を取り上げる。
第二次大戦直後、多くの先住民は放射能の危険性すら教えられずに鉱山で働き被曝、重大な健康障害に陥る。
スリーマイル島事故で一端撤退した開発会社は、1990年代に再開発に着手。
ウラン鉱床を溶剤で溶かしてウランを抽出する方法を採ろうとする。
これでは先住民の水源である地下帯水層は汚染される。
当然にも反対運動が巻き起こった。
ところがウラン鉱山の土地を所有する人たちは、開発反対派に噛み付く。
「これで利益を上げて何が悪い。孫たちを飢えさせるつもりか」と。
彼らは莫大なお金を得、「作業は安全だ」との説明を受けたと強弁。
まさに日本の原発立地地域で起きる住民内部の争いそのものだ。
反対派は、こう嘆く。
「鉱山の再開を巡って地域社会だけでなく、家族さえバラバラにされました」
「私たちは土地の所有者と闘っているわけではありません。相手は企業です」
「トウモロコシの花粉とウランは見た目がそっくりです。トウモロコシは自然の恵みですが、ウランは誤って手をつけると破滅に至ります」
現地で先住民の医療支援に当たる医師の言葉は感慨深い。
「ここはアメリカで最も収入が少ない地域の一つです。住民の多くは英語を話しません。
電話のない家も多く、政治家と連絡をとることもできません。
そうした地域の住民がウラン産業、原子力産業を阻止しています。
草の根の民主主義が勝利をおさめているのです」
中国電力が強引に建設を進めようとする山口県上関原発。
現地ではまさに同じ矛盾が住民を苦しめ、そのなかで原発建設に反対する人々は粘り強く闘っている。
少なくとも本ドキュメンタリーで描かれている現実を直視すれば、「原発はクリーンで環境に優しい」などというキャンペーンがどれだけ大嘘なのかははっきるするだろう。
日本のマスコミが一切報じない原発労働者の被曝問題。
それを1995年、イギリスのチャンネル4がドキュメンタリーにした。
原発は、通常の運転のために大量の労働者の被曝労働を必要とする。
原発サイト内で放射能を雑巾で拭き取る下請け労働者。
彼らからすれば、原発がクリーンで環境に良いなどという宣伝は、本当にお笑いでしかないだろう。
このドキュメンタリーの取材対象となったフォトジャーナリストの樋口健二氏は、著書『闇に消される原発被曝者』(三一書房)のあとがきの中で、次のように語っている。
「私は巨大科学としてしか、原発をとらえない人々に対して、被曝者が居ないだけでなく、居ないことにしている体制を知ってほしいという願いを込めて、今まで取材をつづけてきた」
私は何度も彼の講演を聞いたことがあるが、何歳になっても信念を失わない気骨のジャーナリスト魂をもった人だと感じた。
最大スポンサーの電力会社の顔色にビクビクして、被曝労働問題を一切報道しない日本のマスコミは、ジャーナリズムの名には値しない。
なぜ日本社会の闇とも言えるこの問題を、イギリスの製作会社しか報道できないのか。
そこに、この闇の深さが象徴されている。
NHKスペシャルこのシリーズの最終回は、実に衝撃的な内容。
番組紹介には以下のようにある。
性染色体がXXなら女、XYなら男。この基本そのものが大きく揺らいでいます。
じつは、男をつくるY染色体は滅びつつあるのです。
さらに、Y染色体を運ぶ精子の劣化も著しいのです。
こうした性システムの危機に、私たちはどう対応すべきなのでしょうか?最終回では、いわゆる試験管ベビーが生まれて30年、生殖技術をめぐる最前線をたどりながら、現在、性の揺らぎが引き起こしているさまざまな影響を追います。
私も初めて知ったが、驚くべきことに男性のY染色体はどんどん小さくなっている。
それに伴い、1億6600万年前には1000以上あったY染色体中の遺伝子の数は、現在では78にまで激減。
元々同じ大きさ、遺伝子の数だったXと比較すれば、いかに縮小してきたのかは明らかだ。
この減少は、Y染色体が単独でコピーを繰り返すがゆえに不可避。
コピーミスを修復できないから、500万年から600万年後には、Y染色体は完全に消滅することになる。
加えて、人間の精子の質や濃度も急激に低下している。
チンパンジーの精子と比較すると、濃度もその活動の活発性も歴然と違うことが分かる。
そしてフィンランドでは、2000年に入ってからのわずか5年間で、精子の濃度が27%も低下した。
原因は不明だが、90年代には環境ホルモンによる生物の生殖機能異変が問題になった。
人類は、あらゆる汚染を拡散させることでその被害をごまかし続けてきた。
しかし地球は有限である以上、汚染は確実に環境に蓄積し、そして私たち自身へと跳ね返ってくる。
環境ホルモンの危険性を訴えた『奪われし未来』の最後の一節。
手遅れにならないうちに、私たちは本当の知恵を身につけなければならない。
未来への道行きで肝に銘じねばならないのは、人類がいままさに無視界飛行中であるという事実だ。
人類はいま、地図をもたず、何の誘導もないまま霧をかき分けて飛んでゆかねばならない。いま何よりも大切なのは、地球上にすむ一人一人がこの問題を真剣に考え、論じ始めることだ。
子供達が合成化学物質にさらされることなく、安全に生まれてこられるような未来をつくるには、科学技術と専門技術がぜひとも必要だ。
けれども、人類の幸福と生存にとって何より大切なのは、いかに知識が豊かになろうとも、知らないことはまだまだたくさんあると悟る知恵だろう。この心得がなかったために人類は途方もない危険に身をさらし、生死に関わる賭博にまで手を染めるはめになってしまったのだ。
この賭博の儲け金は途方もなく高額である。
だから、われわれ人類がよりよく状況を理解できるようになったいまこそ、もっと用心深く勇気を持つべきだ。これこそが、子供達の未来を守る親の義務なのである。
このシリーズの2作目は、脳科学や生物学の最新の知見を駆使し、男女の違いをより突っ込んで解明する。
解説はこうだ。
「いま、『男女差』が次々と見つかっています。特に、脳は性ホルモンなどの影響で男女差が生まれていることがはっきりしてきました。
なぜ脳が男女で違うのでしょうか? それは「ともに生き延びる」ためだといいます。
長い狩猟採集時代、祖先は役割分担をして、多様な食糧を確保する生存戦略をとりました。それが男女の脳の差を生んだと考えられています。
医学や教育などではじまっている、男女の差に注目する新たな潮流を描きます」
驚いたのは、既にアメリカの公立小学校の多くは、男女別のクラスを試験的に実施していることだ。
落ちこぼれをなくすには、男女の性差を踏まえた適切な教育をしたほうがいいとの判断で、たとえばじっとしていることが苦手な男の子の読書は、寝そべるなど自由な姿勢でさせる。
女の子は協調し合うのが上手なので、ペアで学習させて教え合う。
これが競争心の強い男の子と一緒だと上手くいかないらしい。
今や企業もまた、こうした男女の差を踏まえた経営戦略を模索している。
例えばあるコンサルティング会社が顧客にサービスを提示する際、CEOが男性か女性かによって違う方法を採用する。
CEOが男性の場合には、明確な方針を提示し、それを権威づけるためにできるだけ役職の高い担当を派遣する。
男性ははっきりとした結論を求め、また権威主義的に思考する傾向が強いからだ。
逆にCEOが女性の場合、結論を一本に絞らず、まずは問題意識の共有を重視し、できるだけ現場に近い担当者を派遣する。
女性は結論よりもプロセスを重視し、一つの答えに縛られるのを嫌う傾向が強いからだ。
こうした男女の性差は、人類が進化の過程でもっとも長い期間を過ごした狩猟採取生活での役割分担から生じたものだ。
つまり男女の性差は、どちらが優れているかが問題ではなく、それにより生まれる多様性により人類が生き延びるために有効だったのだ。
しかし私が思うに、産業革命以降のここ数百年の間は、どうも一本調子の経済成長だけが価値とされてきた。
そこで求めらた結果優先の目的合理性は、明らかに主に男性に備わっていた特質だろう。
それが行き詰っている今日、持続可能な未来を展望するには、もっと女性の特質を活かす社会へ転換していくべきではないか。
いずれにしても、生物同様に、多様性を喪失した社会は危機に脆いことは確かだ。
NHKオンデマンドで観たこの番組、なかなか興味深かった。
番組紹介には以下のようにある。
「男女はなぜ惹(ひ)かれあうのでしょうか?
脳科学は恋のメカニズムを解明しつつあります。その中心は、快楽をつかさどるドーパミンという脳内物質の大量分泌です。
しかし、これは体への負担が大きく長続きしません。そのため、"恋愛の賞味期間"は3年ほどだといいます。
そこで、どうすれば男女関係は長続きするのか、科学的探求が進められています。
『子育て協力者』から『人生の伴りょ』へと変化してゆく男女関係を描きます」
番組では男女間の恋愛の謎を、最新の脳科学と生物学の知識をもとにして解明する。
哺乳類のなかでも「つがい」で子育てをする生物は数パーセントしかいないらしい。
とりわけ人間は直立歩行したことにより女性の産道が狭くなり、未熟な状態で赤ん坊を出産することになる。
これは子育てにおける男女の協力を不可欠とする。
したがって子どもがある程度成長するまでの3年間ほど、男女が強く惹かれ合う必要があり、ドーパミンが分泌される。
これが文化的には「恋愛」と呼ばれる状態である。
しかしドーパミンの分泌は長続きしない。
寿命が伸びた現代、子育てを終えてもなお男女が「人生の伴りょ」として関係を維持するためには、互いの生物学的な違いを認め合い、理解し合う努力が必要となる。
だいたいこんな展開だが、興味深かったのは、男性は女性を主に「視覚」において、女性は男性を主に「記憶」において見定めている点だ。
「視覚」とは、女性が出産に適した体型かどうかで、男性がヒップとウエストの比率「10:7」をベストと判断するのは、古今東西変わらぬ真理らしい。
「記憶」とは、男性がきちんと子育てに協力してくれるかどうかで、「有言実行」かどうかをチェックしている。
さらに狩猟に出ていた男性は、常に問題解決型の思考と会話をし、村のコミュニティで家庭を守っていた女性は、何気ない日常会話などを重視する。
まさに『話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く』でも説かれた問題である。
一番面白かったのは、狩りをしていた男性は、いつでも興奮状態へ移行できるように、心拍数が急激に上がるように遺伝子にインプットされているから、女性よりも「キレやすい」とされている点だ。
だから男女の会話では、男性はコミュニケーションそのものを楽しむよりも「解決」を求め、それに女性が応じない場合には駄目出しをし、女性が反論するとすぐにキレる。
この悪循環に陥り、そこから抜け出せなくなると男女の危機が迫ってくるわけだ。
なかなか身につまされること多々ある、実に面白い番組だった。
先日放映されたNHKスペシャル『原発解体~世界の現場は警告する』。
最大のスポンサーである電力会社の顔色にビクビクする民放には決して製作できない、NHKならではの素晴らしい番組だった。
番組の紹介はこうだ。
いま地球温暖化対策などで、原子力発電が注目され、世界で100基の導入の準備が進んでいる。その陰で120基が寿命を迎え、相次いで解体されている事実は知られていない。
今回NHKは、知られざる原発解体の現場に初めて密着。そこでは放射線という目に見えない壁、そして解体で出る廃棄物の処分場所が決まっていない現実が見えてきた。
この難しい問題に私たちはどう向き合うのか? 世界の解体現場から報告する。
番組クルーは原発の解体現場への密着取材を敢行。
自ら被曝するリスクを覚悟しての取材だ。
原爆投下で生みだされた大量の「死の灰」。
これが原爆投下から60年以上たった今でも細胞の中で放射線を出し続け、内部被曝の原因となっている様子を、長崎大学の研究グループが世界で初めて確認した。
4月15日に放送されたクローズアップ現代。
取り上げたのは再生可能エネルギーとして注目を集める地熱発電の開発状況。

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