No Nukes
東海大地震が来る前に浜岡原発を止めよう!
2003年10月1日より、原発の運転に関する新しい技術基準=「維持基準」が正式に採用された。原発の心臓部の圧力容器やシュラウド、配管などに亀裂や傷などが見つかっても、新しく設定された「維持基準」の範囲であれば、原発の運転を続けても良いというものだ。
果たして日本の原子力産業と行政は、JCO臨界事故を本当に教訓化したのだろうか? とてもそうは思えない。
この「維持基準」はなぜ作られたのか? 2002年8月以降、東京電力など各電力会社はそれまでの「技術基準」を守らず、定期検査などで虚偽の報告をしていたことが次々と明らかとなった。
ところが東京電力は、この不正の調査報告書で、「運転を継続するうちに摩擦やひび割れが発生することはどうしても避けられない」から、亀裂や傷が一切存在してはならないというそれまでの「技術基準」を守ることは不可能だと言い始めたのだ。
いちいち修理していたら、定期検査の期間が長くなり、1日あたり数億円の赤字となる。例えば、シュラウドはいくつかの原発で交換されてきたが、交換工事は1年近くかかる。費用も、1台100億円と言われており、これではとても原発で儲けることはできないと悲鳴をあげたわけだ。
原発推進を国策とする行政は、こうした電力会社の意向を受けて、あっさりとそれまでの「技術基準」を投げ捨て、新たな「維持基準」を作り出した。
実は、東京電力のトラブル隠しに関し「内部告発」があったのは、2000年8月。政府や科学技術庁はこの「内部告発」の公表を2年も遅らせ、その間に原子力安全委員会などで「新たな技術基準」の策定を進めていた。「内部告発」が公表された2002年の夏には、すでに「維持基準」導入の準備はすべて整っていたのだ。
不正発覚によってより厳しい検査と監視の目が原発に向けられることになったのではなく、逆に「それまでの基準が現実的でなく厳しすぎたから不正が起きたのだ」と話がすり変えられてしまった。
新たな「維持基準」は、原発の寿命を30年から50年に延ばすためにも導入されている。これにより老朽化し傷だらけの原発が、「地震の巣」である日本列島の上で50基以上稼動することになる。
東海大地震の震源域の真上にある中部電力の浜岡原発でも隠蔽が行なわれていた。再循環ポンプの配管の傷を隠していたのだ。
浜岡原発では、2001年11月にも1号炉で、炉心のメルトダウンにもつながりかねない重大な事故が起きた。緊急炉心冷却装置=ECCSの一つである高圧炉心注入系の起動試験を行っている最中に、肉厚が一センチ以上ある炭素鋼製の蒸気配管が一瞬にして破断したのだ。
自動車に例えるならば、高速道路走行中にフルブレーキングテストをしたところ、ブレーキホースが破れて止まれない状態に陥ったに等しい。
「もし本当にECCSが必要な状況だったとしたら?」と想像するだけで身の毛がよだつ話だ。
こうした動きにたいして、地震の国際学会では、茂木清夫・前地震予知連絡会会長が「直下でマグニチュード8の大地震が確実に起きる原発は、浜岡が世界で唯一。極めて危険だ」と訴えるにまでいたっている。
JCO臨界事故の際、国や電力会社は「想定外の事故」だと言い逃れた。近い将来確実に起こる東海大地震。その真上で傷だらけの原発を動かしておいて、また何かあったら「想定外の事故」だったと言い逃れるのだろうか?
一度重大事故が起きれば、何十万人人の生命や健康に対して取り返しのつかない被害を与える原発の運転や安全管理を、国や電力会社に任せておく限り、国民の安全を守ることはできない。
日本で、いや世界で最も危険な原発=浜岡原発を東海地震が起こる前にストップさせることが問われている。
