Economy

中国経済を持続可能に転換しなければ「成長の限界」はますます早まる

『エコノミスト』2005年4月26日号は、「中国経済が変わる」と題して特集を組んだ。

 このなかで沈才彬氏(三井物産戦略研究所中国経済センター長)は、「脱『爆食型成長」への政策転換」を提起した。

 「01年に比べれば、中国はわずか3年間で粗鋼生産量は8割、鋼材8割強、造船8割、化学繊維8割、自動車1・2倍、カラーテレビ8割、冷蔵庫1・2倍、洗濯機8割弱、エアコン1・8倍、石炭7割弱、発電量5割弱と急増しており、膨張のスピードは我々の想像を超える。現在、中国の粗鋼、石炭、セメント、化繊、化学肥料、家電など主要工業製品の生産量はいずれも世界トップで、『世界の工場』という実態が浮き彫りになっている」

 「中国のエネルギー利用効率は世界平均水準の半分以下、ドイツの5分の1、日本の4分の1に過ぎず、同じ途上国のインドにも及ばない」

 「環境破壊も深刻化している。中国のCO2(二酸化炭素)排出量は米国に次ぎ世界2位だが、ほかの汚染物排出量はいずれも世界1位。(中略)現在、国土面積の3分の1は酸性雨に侵食され、大中都市340市のうち60%は大気汚染に見舞われている。中国は環境汚染の超大国といわざるを得ない」

 沈氏は、中国の大量生産・大量消費型の経済成長には最早限界が見え始めており、エネルギー効率を高め、環境問題に対処した経済成長を志向するしかない。そこに日本企業の新たなビジネス・チャンスが生まれると述べた。

 言うまでもなく、13億の人口を抱える中国が、アメリカのような大量生産・大量消費社会を志向するならば、早晩深刻な資源・エネルギー危機のなかで経済破綻することは目に見えている。

 それは中国一国のみならず、世界経済の基盤を破壊し、取り返しのつかないカタストロフィーを人類全体にもたらすことになる。

 バブル経済が破綻して世界的な経済危機が起きたが、これはむしろ持続可能な世界へ転換するためのチャンスでもあるし、またそうしなければならない。
 

月別アーカイブ



プロフィール

渡瀬義孝 2008年洞爺湖サミットの開催に合わせ自転車で東京~洞爺湖~札幌1500キロを走破したツーリング洞爺湖に参加。持続可能な未来へ向けエコロジーでリベラルなライフスタイルを! yoshitaka@ihope.jp

このサイトを購読する

RSS登録

  • My Yahoo!に追加
  • Add to Googleに登録
  • はてなRSSに登録
  • lvedoorリーダーに登録
  • エキサイトリーダーに登録



最近のフォト

  • 『Actio』10月号<特集>次世代へ引き継ぐ生物多様性 未来を決めるCOP10@名古屋
  • 北淡町震災記念公園の野島断層保存館 阪神淡路大震災の爪痕から何を教訓とするのか
  • 淡路島「鳴門の渦潮」 映画『十戒』を彷彿とさせる自然の力
  • 日本広告審査機構(JARO)は「原発はクリーン」との電事連広告を不適切と裁定 ところが(財)日本原子力文化振興財団は真逆の「原子力ポスターコンクール」を開催
  • ほくほく線のシアター・トレインゆめぞら号 トンネル内で天井に映し出される映像は必見
  • 映画『祝の島(ほうりのしま)』分をわきまえた人間の営みこそ持続可能な未来につながる 原発よりもはるかに偉大な祝島の棚田
  • 限界集落で有畜循環有機農業を実践する「土遊野」農場 日本農業再生の方向を見事に示唆している
  • 映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』が描くニーチェの「永劫回帰」 ツァラトゥストラの「超人」は可能なのか?

ウェブページナビ