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ツーリング洞爺湖7日目 三陸峠~釜石~山田湾へ
スタートから丁度1週間経った6月25日は、大船渡からの三陸峠越えが待っていた。
早朝、宿泊場所にテレビ岩手が取材に。 スタート後から1時間半ほど随伴し、所々でカメラを廻した。
三陸峠へ向けた急勾配を必死に上る姿を撮影される私たち。 テレビに映るとあっては早々簡単に自転車を降りるわけにはいかない。
とは言え、さすがにいくら見栄を張っても無理なものは無理と自転車を押す場面も。
リアス式海岸の地形は段々に険しくなっていく。その分、素晴らしい風景も広がる。
三陸峠を越えて釜石には午前11時頃に到着。 テレビ岩手の人に駅前に美味しい店があると聞いて立ち寄る。 ここで昼食をとり、1時間ほどの休憩。 さすがに駅の目の前に新日鉄の工場がある。
昼食をとった私たちを待ち受けていたのは、三陸峠に勝るとも劣らない新たな峠。 標高プロファイルを見ると、三陸峠以上の急勾配で同じく400メートル近い峠を越えたことが分る。
峠を越えた先には山田湾が広がった。
そして宿を提供していただく川端さんと合流し、山小屋へ向かう。自転車を降りて引くしかないものすごい急坂の上の小奇麗な小屋。
この庭先をお借りして、雨で泥だらけとなった自転車の清掃とメンテナンス。
夕飯は川端さんの手料理をご馳走していただく。絶品だったのは、イカの白子の刺身。初めて食べたが、とても濃厚で甘く美味しかった。
小屋には六ヶ所村再処理工場からの放射能排出に反対する集会ポスターが飾られていた。
この晩私たちは、地元で漁業関係の仕事に携わる人から印象深い話を聞く。
翌日に訪れる予定の重茂半島では、重茂漁協の人たちがこぞって六ヶ所村再処理工場からの放射能排出に反対している。その想いの一端が良く分る話だった。
「重茂漁協の人たちは合成洗剤も使わないし、網に藻や貝が付着するのを防ぐ薬も使わない。
手間隙かけて海を守ってきた。おまけに漁師は、ウニの殻や昆布の端を海に棄てたら、摘発のため私服で張りこんでいる海上保安官に不法投棄の罪で逮捕される。
海から出たものを海に戻すことすら罪になるのに、放射能はなぜタレ流していいのか?
こんな当然の疑問や怒りを漁師はみんな持っている」
さらにその人は次のように語り続けた。
「原油高騰で燃料費も高まり、今後遠洋漁業はどんどん苦しくなる。
おまけに日本の食料自給率はとても低い。つまり、比較的燃料費がかからず、しかも日本人の重要なタンパク源を供給する沿岸漁業こそ何としても守らなければならないはず。
ところが、現在の日本の政策はそれに逆行している。本当に国の政策は間違っている」
この言葉は、翌日訪れた重茂半島だけでなく、このツーリング中ずっと私の脳裏に焼きついて忘れられなかった。
最近漁師の人たちが一斉休業をしているが、農業と共に漁業も守れなければ、この国の将来はますます暗澹たるものになるだろう。
この日の走行距離は85キロ。


