Ecology
「できるぞ! エネルギーシフト!」ワールドカフェと飯田哲也さんの講演は大盛況 自然エネルギーへの転換は小規模分散型革命で!
7月22日午後7時より都内下北沢らぷらすで、「ワールドカフェとトーク『できるぞ! エネルギーシフト!!飯田さんと話そう』」が開催された。
ふろむあ~すcafeOHANA、エネルギーシフトを考えるデータバンク、トランジションタウン世田谷、Bee'sCafeの4団体の共催イベント。
会場を埋め尽くした100名を超える参加者は、前半のワールドカフェでは脱原発、自然エネルギーへの転換を展望して熱く議論し、後半はNPO法人環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんの講演に聞き入った。
<熱気溢れるワールドカフェ>
最初にスウェーデンで進む自然エネルギーへの転換などを描いた映画『ミツバチの羽音と地球の回転』の予告編が上映され、いよいよ16のテーブルに分かれてのワールドカフェが始まる。
あらかじめ設定されたテーマは、「エネルギーと自給自足」「エネルギーとローカリゼーション」「エネルギーとメディア」「エネルギーと環境・生物多様性」「エネルギーと核燃料サイクル」「エネルギーと教育」「エネルギーと政策・政治」。
半分のテーブルはテーマ未定で、参加者がその場で決める。
「エネルギーと身体」「エネルギーと私」「エネルギーとつながり」などのテーマも追加され、各テーブルで会話が弾んだ。
1回目のセッションを終え、参加者はテーブルを移動して2回目のセッションへ。
私もホスト役を務めたが、印象的だったのはある女子大生の言葉。
「私たちは地球に生かされている。そのことに感謝すれば、私たち一人一人には、次世代に素晴らしい環境を引き継いでいく責任があることが分かるはず」
「たった一人でも動き出せば必ず社会は変わる。まず自分が動き、そして周りの人たちに働きかけていけば、必ず希望はある」
高校生も参加していた。
「同級生とこんな話をしようとしてもなかなかできないからついつい諦めてしまいがちだけど、こういう場で同じ問題意識を持つ人たちとつながると希望が湧いてくる」
まさに互いに初めて出会った人たちがほとんどだが、各テーブルではこんな会話がさらに盛り上がり、会場は熱気に包まれていった。
休憩をはさんで後半は飯田さんの講演。
飯田さんは、世界各地で急速に自然エネルギーへのシフトが起きていることを紹介。
「自然エネルギーは不安定だ」として原発をエネルギー政策の基軸にしているのは日本ぐらいだと指摘した。
「スウェーデン政府は原発を風力同様の不安定電源と認定したそうです。なぜなら、事故などによりいつ止まってもおかしくないからです。
一方で欧州では『2050年までに欧州の電力を100%自然エネルギーに転換できる』とする報告書が最近立て続けに5つ発表されました」
「サハラ砂漠10キロ四方の太陽熱発電でヨーロッパ全域の電力需要をまかなう50兆円近いプロジェクトも動き始めています。
そもそも現在の文明が必要としているエネルギーの1万倍のエネルギーが太陽から放たれていますから」「世界中で自然エネルギー市場が急成長しています。
20世紀を代表する産業だった石油、自動車に代わる自然エネルギー産業が生まれていますが、日本の産業構造は旧態依然です」「実は東京電力が東京大学と共同で、銚子沖の洋上風力発電のポテンシャルを調査したら、東電管内の電気を全部賄える結果が出た。
焦った東電はあわててデータを変更したんですが、それでも15%ぐらいは賄えます」
次々と語られるエネルギーシフトの可能性に、参加者は目を輝かせる。
同時にそれを阻んでいる日本社会の歪みをどう変えていくのかについて質疑応答が行われた。
飯田さんは、「日本のエネルギーシフトのカギは、小規模分散型革命です。お金、情報、エネルギーを巡る様々な変化が、たとえ一つ一つは小さくても同時多発的に行われ、それがある程度まで高まった時に状況が突破されると思います」と締めくくった。
<日本の閉塞感を打破する若者たち>
ビジョンを提示した飯田さんの講演に加え、終了後のアンケートには「お互いに話し合うセッションは、講演だけよりも参加者の主体が明確になる時間で大切」との意見も寄せられた充実したイベントだった。
私自身このイベントを通じてあらためて実感したことは、「本来良い方向へ向けての変化とはわくわくする楽しいことのはず」という当たり前の事実だ。
石油やウランなどの地下資源に依存するエネルギーは必ず枯渇する。
まして原子力は深刻な事故リスクや放射性廃棄物問題を解決できない。
風力や太陽光、地熱、水力、バイオマスなどのより環境負荷の少ないエネルギーに転換できるのなら、それは一番素晴らしい選択のはずだ。
本来それにチャレンジすることはわくわくすることのはずである。
ところが日本では、従来の既得権益にしがみついているのか、あるいは「科学的」との上から目線で考えているのか、より良い変化を求めるエネルギーを潰す動きばかりが目立つ。
新しい変化を希求する若者たちの夢は、「そんなこと無理に決まってる。お前たちは無知なんだ」と潰されてしまうのだ。
この閉塞感は、エネルギー問題だけではない。
まさに今の日本社会を象徴する閉塞感だ。
しかし、これを打破する新しい風も確実に吹きつつある。
そんな確かな実感を得たイベントだった。
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