Ecology
中国電力によるスラップ訴訟は明確な憲法違反 大企業が金で住民を恫喝するのを認めたら開発に反対する権利はすべて奪われる
中国電力は昨年12月15日、上関原発建設に反対する祝島住民ら4人に対して、抗議活動により海面埋め立て工事が遅れたと、約4800万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。
さらに中国電力は工事妨害禁止の仮処分を申請。
山口地裁岩国支部はこれを認め、なんと今後の妨害行為1日当たり500万円を支払うよう住民に命じている。
中国電力は「地元の了解を得て工事を進める」と言いながら、手弁当で抗議する住民に巨額の損害賠償請求を突きつけて黙り込ませようとしているのだ。
こんな卑劣なやり方は、欧米で悪名高いスラップ訴訟の典型例である。
スラップ訴訟とは何か、まずはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から引用する。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97
スラップ(英: SLAPP, Strategic Lawsuit Against Public Participation、恫喝訴訟)は、訴訟の形態の一つで、原告が判決そのものの勝訴ではなく被告に対するいやがらせを主な目的とした訴訟である。
経済的に力のある団体が原告となり、対抗勢力を被告として恫喝的に行うことが多い。
被告となった反対勢力は法廷準備費用・時間的拘束等の負担を強いられるため、仮に原告が敗訴しても、主目的となるいやがらせは達成されることになる。
そのため、原告よりも経済的に力の劣る個人が標的にされやすい。
表現の自由を揺るがす行為として欧米を中心に問題化しており、スラップを禁じる法律を制定した自治体もある。
日本でも近年企業と個人ジャーナリストの間でこの形態の訴訟が見られ、この用語と共に概念を浸透させる動きが見られている。
まさにスラップ訴訟は憲法で規定された「表現の自由」を否定する憲法違反の疑いが極めて強い訴訟なのである。
この悪名高い訴訟を堂々と行っているのが中国電力である点も極めて深刻だ。
なぜなら、電力事業は極めて公共性が高く、それゆえ社会的責任(CSR)も重いはずだが、それを無視し、まさに住民を恫喝している点。
また地元住民の理解が不可欠な原発建設を巡って行使されている点で、本末転倒である。
金儲け第一のヤクザ企業が住民を脅すのと同じ訴訟行為を、中国地方のリーディングカンパニーとなるべき会社が起こし、住民を恫喝している。
これは決して見過ごすことはできない。
4月15日から中国電力は、上関原発予定地の田ノ浦での埋め立て準備工事に着手したが、その現場では執拗に反対する住民を撮影している。
以下のビデオのなかで中国電力職員は、はっきりと「違法行為を撮影するため」と言明しているが、これは「妨害したら損害賠償しますよ」と脅しているのである。
こんな卑劣なやり方を絶対に許してはならない。
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コメント(4)
山口地裁岩国支部はこの2010年3月31日、これまですでに1月18日付で「上関原発を建てさせない祝島島民の会」と39人の会員に対して中電の原発建設のための上関沖合埋め立て工事の「妨害」行為を禁じる不当決定を出していますが、同決定に対する島民の会会員らの異議申し立てを却下し、改めて同会と会員ら39人に埋め立て工事が終わるまで一切の「妨害」行為を禁じた上で、同「妨害」行為を続ける場合は、連帯して1日当たり500万円の支払いを命じるという不当決定を出した。
妨害している人はお怪我の無いようにお気を付けください。また、また妨害を支援している人は判決に基づき1日500万円の損害賠償費用を払うためのカンパにご精励願います。
美しくて強い国日本 さん
祝島の人たちがどれほど理不尽な状況に置かれ、どれほど困難な条件のなかで抗議活動を続けているのをご指摘いただきありがとうございます。
三権分立の理念にも関わらず、司法が行政に追随するこの国では、住民は自ら犠牲を払って生活を守るしか術はありません。
民主主義とは言い難いこうした状況を少しでも多くの方に知っていただくことは大変意味があることです。
今後ともコメント期待しております。
美しくて強い国日本 さんが10月16日にコメントされた内容を読ませて頂き、大変驚きました。
この山口地裁岩国支部の判決は、過去の他の原発がらみの判決を鑑みても、あまりにひどすぎる。これまでも、司法の判決は、そのほとんどが国の原発推進の政策に対して、原発が必要という立場に「正義性」を持たせる内容であるとは感じてはいたが、今回の内容は、住民の抗議する権利を認めないばかりか、破格の損害賠償請求まで正当化している。これでは、司法という名を借りた住民弾圧団体と同じであると思う。ここまで、日本の司法制度が地に落ちているとは思いたくはない。
不思議な国日本さん
コメントありがとうございます。
この国の司法にとって三権分立は建前でしかなく、ほとんどの場合、行政サイドに立ち、住民サイドに立たないのが司法の現実です。
特に国策である原発政策にブレーキをかけるような裁決はまず行いません。
山口地裁の判決はそのなかでも最悪なもので、空いた口がふさがりません。
残念ながら、最近問題となっている検察だけでなく、その検察の横暴をノーチェックで容認してきた司法もまた、地に堕ちていると言わざるを得ませんね。
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