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検証・在日米軍再編と日米地位協定(2)日本国憲法の上に地位協定と安保条約が存在する矛盾

2009年11月 2日 11:47 | コメント(2) | トラックバック(0)

 市街地の真中にある沖縄国際大学構内に米軍ヘリが墜落した事故。
 まかり間違えば多くの人命が犠牲となったかもしれない。

 しかし現行の日米地位協定では、たとえ米軍機墜落事故で多数の日本人犠牲者が出たとしても、米軍が日本の警察権や司法権の下で捜査されたり裁かれたりすることはない。

 事故原因が整備不良や操縦ミスであったとしても、事故は「公務中の犯罪」にしかならず、第一次裁判権は米軍側に存在するのである。

 日本国内で米軍が治外法権を持っているかのように振舞うことができる日米地位協定とは一体いかなるものなのか?

 日米地位協定の正式名称は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」である。

 その名が示すように、日米安保条約を補完するものとして安保条約締結と同時に1960年1月19日に締結された。

 外務省機密文書『日米地位協定の考え方・増補版』では、冒頭に「地位協定が第二次大戦後の一般的現象となった理由」として次のように述べている。

 「第二次大戦以前には、特定の例外的場合を除き、平時において一国の軍隊が他国に長期間駐留するということが一般的にはなかった」

 しかし第二次大戦後の東西冷戦下、NATOをはじめとしてアメリカ軍が同盟国に長期かつ大規模に駐留するような時代状況となり、地位協定が必要となったわけだ。

 逆に言えば、冷戦終結後日米安保の在り方そのものを見直すべき時代になりながら、未だに安保体制の護持のために米軍の都合に合わせて次々と地位協定を恣意的に解釈・運営していることに問題の本質がある。

 外務省の機密文書は、政府と外務省が地位協定を運用していくに当たって、一般国際法や国内法との整合性を図るための虎の巻だ。

 俗に「憲法の上に安保がある」と言われるが、「憲法の上に地位協定があり、その上に安保がある」と思わざるを得ない現実が見て取れる。

 それを象徴するのが、地位協定第16条「日本法令の尊重義務」の解説だ。
 16条には以下のようにある。

 「日本国において、日本国の法令を尊重し、及びこの協定の精神に反する活動、特に政治的活動を慎むことは、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の義務である」

 しかし機密文書ではこの条文の解説として次のように述べている。

 「一般国際法上、外国軍隊には接受国の法令の適用がない。これは、軍隊が国家機関であり、接受国の主権の下に服さないことの当然の帰結である。従って、我が国に駐留する米軍(集合体としての軍隊及び公務遂行中の軍隊の個々の軍人等)に対しては、施設・区域の内外を問わず、原則としてわが国の法令の適用はない」

 この機密文書を執筆した外務官僚は、あくまで一般論だと断ってはいるが、問題なのはこの機密文書全体を貫くスタンスだ。

 全体を通じて、米軍に対して「原則としてわが国の法令の適用はない」からこそ地位協定に基づいて米軍への法的規制を実現しようとするものではなく、「原則としてわが国の法令の適用はない」からできるだけ米軍の活動に縛りをかけてはならないというものに終始している。

 そもそも主権国家の領土内に、外国の軍隊が4万人前後駐留していること自体が異常なことだ。

 ましてやその軍隊が治外法権下にあるかのように自由勝手に日本国内を移動し、全国に135箇所の施設を持って、米本土でも行わない演習を繰り広げている。

 おまけに地位協定上では施設・区域提供をのぞく在日米軍の駐留経費は、米軍が全額負担することになっているが、法的根拠がない「思いやり予算」によって日本は2004年度予算で2441億円も負担している。

 基地の地代などもふくめると日本の負担は7000億円近くとなり、これは在日米軍経費の80%近くに相当すると言われている。

 米軍はアメリカ本土をはじめ、全世界で基地の縮小や整理・統合を行う中で、なぜ在日米軍基地だけは手放そうとしないのか?

 それは米軍にとってこれほど都合の良い駐留地は世界のどこにも存在しないからなのだ。

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コメント(2)

初めまして。当NGOでも日米地位協定改定に向けて、勉強会などを行っております。記事を拝見し、トラックバックをさせていただきました。

初めまして、コメントありがとうございます。
確認したところ、トラックバックは届いておりませんでした。
当方のサーバーの問題かと思われます。
こちらからのトラックバックも上手くいかないようです。
申し訳ございません。
地位協定改定へ向けてのご活躍に期待いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。


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