Ecology

八ッ場ダムを筆頭に日本の河川行政を抜本的に問い直す時 元建設省キャリア官僚宮本博司さんの講演がYouTubeで

2009年10月22日 12:44 | コメント(0) | トラックバック(0)

 7月に群馬県前橋市で開催されたシンポジウム『ダムに負けない村』。

 ここで「河川行政の転換 -ダム予定地の現実に接して」と題する基調講演を行ったのは、元国土交通省防災課長で前淀川流域委員会委員長の宮本博司さん。
 キャリア官僚としてダム建設の現場に就いた経験から、日本の河川行政の問題点を指摘した。

 私は宮本さんにインタビューをお願いしたことがある。
 宮本さんは岡山県で建設省苫田ダム工事事務所長を務めた。
 その際、ダム湖に故郷が沈む人たちの怒り、悲しみ、苦しみを目の当たりにし、霞が関の机の上での計算だけで簡単にダム計画を進めてきたことを深く恥じたという。

 その後近畿地方整備局の淀川河川事務所長や河川部長となり、大戸川ダム中止を決定。
 情報公開の徹底などいわゆる淀川方式の実践に尽力したが、結局はダム見直しの流れは継続しなかった。

 現在は国交省を退職して、家業の樽徳商店会長を務める宮本さん。
 まるで落語家のように話が面白く、かつ日本の河川行政について的確な批判を語る人だが、インタビューの際にこんなことを語っていた。

 「優秀な役人」は、現場で感動したりショックを受けては駄目なんです。もし計画に疑問を持ったら工事は進捗しないし予算も使えなくなる。ですから役人の自己防衛本能として、物事をまともに見ようとしない。本当の実態や人の気持ちを理解できなくなってしまいます。

 八ッ場ダム中止を巡って国交省官僚たちは様々な巻き返しに必死だ。
 かつては地元の反対の声を押し潰してダム計画を進めてきたにも関わらず、今度は「地元の声」と称してダム推進を煽る。

 先日地元を視察した下流都県の知事たちも同じだ。
 今さら地元に足を運ぶぐらいなら、なぜそもそも建設計画の当初から反対の声に耳を傾けなかったのか。

 すべて、官僚たちの演出に乗せられているわけだ。
 さらに「ここで中止したらさらに金がかかる」などと誤った情報が垂れ流されている。

 こんな時だからこそ、国民はより厳しい批判の目でダム建設の是非を検証する必要がある。

 河川行政を問い直す上で大変参考になる宮本さんの講演がYouTubeにアップされているので、ぜひご覧いただきたい。

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