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NHKスペシャル『原発解体~世界の現場は警告する』「トイレなきマンション」=原発のリアルな問題を鋭く告発
先日放映されたNHKスペシャル『原発解体~世界の現場は警告する』。
最大のスポンサーである電力会社の顔色にビクビクする民放には決して製作できない、NHKならではの素晴らしい番組だった。
番組の紹介はこうだ。
いま地球温暖化対策などで、原子力発電が注目され、世界で100基の導入の準備が進んでいる。その陰で120基が寿命を迎え、相次いで解体されている事実は知られていない。
今回NHKは、知られざる原発解体の現場に初めて密着。そこでは放射線という目に見えない壁、そして解体で出る廃棄物の処分場所が決まっていない現実が見えてきた。
この難しい問題に私たちはどう向き合うのか? 世界の解体現場から報告する。
番組クルーは原発の解体現場への密着取材を敢行。
自ら被曝するリスクを覚悟しての取材だ。
まず浮き上がるのは、原発解体に従事する作業員たちの被曝リスク。
高レベルに汚染された原子炉の中心部の解体は極めて危険だ。
原発先進国だったドイツでは、解体用のロボット開発を進めているが、次々と技術的課題が浮上して上手くいかない。
日本でも新型転換炉「ふげん」の解体作業が行われている。
番組ではその模様を取材していたが、取材中も、そしてつい最近も解体作業中の被曝事故は起きている。
原発は労働者の被曝なくして稼働しないが、原発の解体もまた労働者の被曝なくして不可能なのである。
さらに問題なのは、そもそも原発から出る「核のゴミ」をどこに、どのようにして処分するのか未だに決まっていないことだ。
まさに原発は「トイレなきマンション」なのである。
最終処分場を決めることなく、次々と原発を建設してきたツケが、廃炉の時代を迎えるなかでいよいよ現実のものとなって重くのしかかっている。
この番組を見れば、こんな状態のなかでさらに新規原発を建設することがどれほど無責任なことなのかが分かる。
遮二無二国策として原発を推進するのではなく、一度立ち止まって、核のゴミをどうするのかについてきちんと国民的議論をすべきなのだ。
にも関わらず、原子力発電環境整備機構(NUMO)は「もう、目をそらす訳にはいかない現実があります」「日本では、まだ、問題の存在さえ広く知られていません」などと、この問題の責任が国民の無関心にあるかのような宣伝をしている。
とんでもない話だ。
原発に反対してきた学者や市民は、早くから廃棄物問題を指摘してきた。
トイレなきマンションを造り続ける政府や電力会社の責任を問い続けてきたのだ。
それを無視し、問題を先延ばしにしてとにかく原発を造り続けてきたのは一体誰なのか?
「もう、目をそらす訳にはいかない現実があります」と言うのなら、まずは新規原発建設を中止し、これ以上の核のゴミを出さないようにすべきだ。
その上で、既に生み出された膨大な廃棄物をどうするのかを国民的な議論の場に乗せるべきだろう。
高レベル廃棄物管理の安全性やコストなど、すべての情報を公開して、本当にこのまま原発に依存し続けることにメリットがあるのかどうかこそ議論すべきなのだ。
国や電力会社は、原発という「トイレなきマンション」、つまり重大な瑕疵物件を国民に売りつけてきた。
その責任を明確にすることなく、今さら「トイレをつくる必要があるから応分の費用を負担してくれ」などと言い逃れることを許してはならない。
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