Ecology

浜岡原発を考える会・伊藤実さん講演(4)異常出産が多発する地元の病院

2009年8月21日 10:01 | コメント(1) | トラックバック(0)

 今は10人ぐらいでやってるんですが、去年の4月ぐらいに浜岡町と御前崎町が合併して「御前崎市」となったんです。去年の4月時点で浜岡町が2万4千人ぐらい、御前崎町が1万2千人で3万6千人の小さな市が出来ました。

 今まで原発の町だって誇らしげに言ってんですが、そういう原子力の町というイメージは今の時代イメージダウンになるんで、新しい市の名前も浜岡市でなくて御前崎市になった。御前崎市に浜岡原発がある。

 そういう事からも、この10年の間に原発のイメージは随分悪くなってるし、特に東海地震の震源域にある原発だということで、色々なジャーナリストが警鐘を鳴らしてくれましたもんですから、私たちが5号機建設に反対した10年前と現在では、様変わりしている印象があります。

 私たちの周辺で、先ほどもお話ししました嶋橋伸之さんという方がいました。25歳で発病して29歳で白血病で亡くなっちゃうんですが、この方がどういう仕事をやってたかというと、原子炉の下で中性子の測定モニターを点検の時に替えるんですね。

 その仕事を専門的にやっていた若者なんですが、ある日、体がだるいとお医者さんに診てもらったら白血病だと。中部電力はその事実を認めてないんですが、先ほど言いました通り、亡くなった後に労災の申請で認められまして。

 そんな話はいくらでもあるんです。私のすぐ近所に住んでいた、佐々木孝一さんと言う方も、亡くなってから遺族が裁判を継続中なんですが、上顎ガンという上アゴのガンだったんですね。歯が悪いのかとお医者さんに行っても血が止まらなくて、結局歯医者から紹介されて総合病院行ったらガンだと。

 この方は元々秋田県出身の方なんですが、敦賀原発だとか島根原発だとかを経て、浜岡原発で20年くらい仕事をして、ある程度作業者を扱う「豊工業」と言う下請けの会社の社長になってたんですけどね、その方も5年前に亡くなっています。

 もう一つ、チェルノブイリの新聞記者のお嬢さんが結婚で悩んでいるという話を先ほどしましたけれど、原発の作業者の子どもにも同じ事が起きてます。

 ある看護婦さんに聞いたら、異常出産が非常に多いらしいんですよ。他の地域の病院の経験もあるその看護婦さんは、産婦人科でこんなに多数の障害を持った赤ちゃんを見たことがないと言っていました。

 ガンの発症だとか、生まれつきの障害だとか、調べていくと原発の中で働いているご主人がいる家庭に多いということが分かってきました。原発の風下の駿河湾の榛原病院の看護婦さんも言ってたそうです。

 去年と一昨年、静岡県議選に出た人も看護婦さんで、その方も原発の従事者の赤ちゃんに非常に障害が多いということを言ってらしたんですね。ですから、被曝という問題が浜岡原発の中で起こっている。

 私たちは、原発の排気筒が100メートルある意味をどう考えたらいいでしょうか。別に煙を出してるわけでもないのに、あの100メートルの煙突は何のためにあるんだと中部電力に聞きますと、あそこは中の空気を入れかえているのだと言いますが、それならそんなに高くなくていいじゃないですか。

 あそこから放射能を出してるんですよ、毎日。強い西風の時は八割方東京方面に、雨降りの時は名古屋、京都に来ている。中電も今はこれを認めるようになりました。フィルターで濾せる放射能はいいけど、キセノンだのクリプトンのような気体の放射能はどうしようもないんですね。

 私は東海村の東海第二原発に行きましたが、東海第二原発の排気筒は140メートルなんです。東海村の原子力館職員に聞いたら、浜岡と東海村では気象条件が違うと。浜岡の方が風が強いから100メートルですむんだけど、東海村は風が少なくて140メートル必要だと聞きました。だから、毎日微量ながら放射能が出てるということです。

 県の放射線探知センターがありまして、モニタリング・ポストでずっと観測してる結果が、年4回各戸に配られる「原子力便り」の中に載ってます。セシウム137とかストロンチウムとかコバルト60だとか、自然界に無いやつですね。

 私たちは原発が作った放射能だと思ってるんですが、県の発表によると中国や旧ソ連の核実験の影響だと思われると書いてます。他にも松葉からとかヨモギからとか、色々な物をサンプルにして計測してるんですね。私たちはそんなところに疑問を持ちます。

 今、海水を原発の冷却水として回してるんですが、その海水を取り込むところに紫貝とかフジツボとかが付いて、付き過ぎると海水が吸い上げれなくなって出力が低下する。定期的にフジツボ、ムラサキイガイだとかを取ってるんですが、それを業者が敷地内に放置していくもんですから、夏なんかは臭くてたまらない。

 佐倉地区の浜岡原発協力会社に佐倉サービスセンターというのがあるんですが、その会社が貝を有機肥料に加工してるんです。それを一袋500円で売ってます。原発PR館の手前で。それをお茶やみかんにかけたりする・・・ どう思います? 気持ち悪いでしょう。

 柏崎原発でも同じ問題があって、長野県の坂井村が村おこしのために肥料生成工場を造ろうとしたんです。柏崎から坂井村に持っていったんですが、住民が柏崎原発から出たものだと使うのやめちゃったんですね。でも私たちの地域では肥料を作ってますし、原発から出てくる温排水を使ってヒラメの稚魚だとか、蟹だとかを育ててる。温水で育ててるから育ちもいいもんです。それを駿河湾から遠州灘にかけて一斉に放流してます。

 廃棄物の問題は大変ですね。「もんじゅ」とかの高速増殖炉はもうダメなもんですから、今は取り出したプルトニウムは日本の原発全部で43トンぐらいあるんです。長崎の原爆はプルトニウムたったの6キロであれだけの破壊力です。43トンは6キロの何倍ですか。今プルトニウムの軍事利用でアジアの国から疑われてるから、プルサーマルってことで浜岡原発でウランとプルトニウムの混合燃料を使わないと処理に困ると言い出しています。これがこれからの大問題です。

 私は、京都の皆さんもこういう問題ではまったく一緒であって、私たち現地の人間だけの問題ではないことを最後に申し上げたいと思います。

 実は京都の久美浜、丹後半島の西にありますが、私も行って来ました。宮津に行って、天橋立に行って。あそこに原発の計画があるのはご存じでしょうか?

 あそこでは高校の先生の永井先生が反対運動されてて、私も何度かお会いしました。多分原発は出来ないでしょう。

 私が関わった運動では、他には三重県の海山町。住民投票で否決されたんですが、私も応援に行きました。海山町の商工会が誘致しようとして頓挫したんです。そういう頓挫した所で推進派は何をしようと考えているのかと言うと、使用済核燃料の中間貯蔵庫とか核のゴミの最終処分場の用地として狙われていくと思うんです。

 今、核のゴミの問題を国は六ヶ所村にだけ押しつけていますが、六ヶ所といえども永久保存はダメだ、50年間しか保管しないという当時の県知事と国との協定があります。それから10年くらい経ってるから、あと40年もしないうちにどこかにもっていかなればならない。

 国は何をやってるかと言うと、お金あげるから誘致したい自治体手を挙げなさいって募集してるんですね、候補地を。全国の自治体からは下北半島のむつ市が手を挙げかけている状態です。

 核のゴミはこれから溜まる一方なんです。浜岡原発だけでも1号機から5号機ありますけど、100万KW級の原発で一年間の核廃棄物は広島、長崎の原爆の何千発分の死の灰を生みだしています。再処理してプルトニウムを取り出すと、再処理工場周辺の放射能汚染は更に拡がります。

 他の問題として今進行していることに、核廃棄物としての処理しか許されなかった物を一般廃棄物として処理することを許そうという流れがあります。基準を広げて一般産業廃棄物として処理できるようにしています。かなり危ない物が一般産業廃棄物として出回ってるんです。

 原発で使われた鉄骨を使って建てられたマンションで、健康被害を起こしたという事件が台湾の台北市で起きて大問題になったことがあるんですが、今、原発から出された放射能を含んだ物が日本中、身近な場所に使われている。そういう時代が来ているということを是非考えて頂きたいと思います。

 私たちの周辺でも、テント倉庫みたいな建物の中に原発から出た配管の部品が積まれています。そんな脆弱な建物の中に置かれてるんですよ。六ヶ所へ送られる低レベル放射能物質を詰め込んだドラム缶も、3万5千本くらいあります。年間で1800本くらいは御前崎の港から青森県まで持っていってるんですけど、溜まる一方ですよ。

 低レベルといいますが、私も保管場所の近くまで行って測定しましたら針が振りきれるくらいの高レベルです。東海地震が起こったら・・・という危険性も指摘されています。

 最初はこの話をメインにしようかと思ってたんですが、脱線してしまいましたね。時間も来ましたので、後の話は次の質疑応答でお答えしていきたいと思います。どうもありがとうございました。

(2005年4月3日 「ひと・まち交流館京都」にて)

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2011.3.11 東京電力や原発推進者がお題目のように唱えていた原発の安全神話が完全に崩壊した。これまで北陸電力志賀原発の重大な臨界事故の隠蔽工作や、関西電力美浜発電所のギロチン裁断、東海村核燃料臨界事故など、福島第一原発事故が危険なメルトダウンとなる導火線が引かれていた明らかな人災である。
さらに、原発は日本の国策であると数十年来推し進め、自民党の悪徳政治家が数千億円の原発利権で得た汚れた金をバラ撒き、マスコミと学者を子犬のように飼い馴らし、草野仁や岡江久美子、吉村作治が片棒を担いだ責任は極めて重大である。
よって、アメリカ国防総省のラパン副報道官が福島原発の半径80キロ圏内への立ち入り禁止を勧告して事態が深刻になっても、日本政府やメディアが事の真実を闇に隠し、尊い国民の命を危険にさらしている許し難い現実である。
紛れもなく、今、死の灰が列島を包み込もうとしているのだ。
日常において自分の食べている食品に、微量の発ガン性物質が含有していたらどうであろう。今のマスメディアは、微量だからそのまま食べなさいと言っている事に他ならない。もし、そうであるならば、花王・エコナのグリシドール混入問題や、三笠フーズのアフラトキシンB1事故米転売事件は茶番劇だったとでも言うのであろうか。
今、我々の生きている時代は、明らかに重篤な拝金主義に病んでいる。
福島第一原発で被曝した方々や、東日本大震災で被災された多くの方々の人命のほうが、汚れた金よりも比類なく重い事は論を待たない。
いまを生きる希望のともしびを、被災された方々に捧げ、白雪を溶かし一刻も早い復興を心から願う。

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渡瀬義孝 2008年洞爺湖サミットの開催に合わせ自転車で東京~洞爺湖~札幌1500キロを走破したツーリング洞爺湖に参加。持続可能な未来へ向けエコロジーでリベラルなライフスタイルを! yoshitaka@ihope.jp

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