Politics

小泉、安倍の首相経験者が靖国神社に参拝 日中関係を戦略的に考えられない人たち

2009年8月17日 10:33 | コメント(0) | トラックバック(1)

 毎年この時期に問題となる首相の政治家の靖国神社への参拝。
 さすがに総選挙を目前に控えて、麻生首相は公式参拝を見送ったが、小泉、安倍の元首相は参拝した。 

yasukuni.jpg この問題を巡る日中間の歴史的経緯について、自民党の河野太郎衆議院議員は、自らのメールマガジンのなかで「中国側の言い分」として次のように整理している。

 「もともと靖国神社に日本の総理大臣が参拝することに対して、中国政府から抗議や反発はありませんでした。三木武夫首相は在任中に靖国神社に参拝していますし、昭和天皇も靖国神社に参拝されていました」

 「A級戦犯が、1978年に、靖国神社に他の戦没者と一緒に合祀されてしまったことが、この靖国神社問題の発端です」

 田中内閣の下で1972年に実現した日中共同声明なかで、日本は「過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」との立場を明確に文書に記した。

 これを受けて当時の毛沢東政権は、日本に戦時賠償を求めよとの国内世論を抑えて、戦争は日本国内の一部の軍国主義者によって発動されたものであり、大多数の日本国民も戦争の犠牲者であるから、戦争の被害者が同じ戦争の被害者に賠償を求めることはできないとの立場を採った。

 日本側が戦争責任をきちんと受け止めて反省していることを前提に、共同声明では中国側が賠償を放棄することを明確にしたのだ。

 ところが、1978年に靖国神社は宗教法人としての独自の判断で、「一部の軍国主義者の象徴」であるA級戦犯の合祀を行った。

 これ以降昭和天皇も靖国神社への参拝を行わなくなる。昭和天皇がこの靖国神社のA級戦犯合祀について否定的な見解をもっていたことは後に明らかとなった。

 ところがこうした経緯を無視して、1985年8月15日に当時の中曽根首相は靖国神社に「公式参拝」を強行。
 中国政府は日本政府に対して閣僚の靖国神社への参拝をしないよう求めることになる。

 河野氏は次のように指摘している。

 「日本側が共同声明の合意をほごにするのならば、こちら側も賠償放棄を取り消して、賠償を求めようではないか、ということになってしまいます。だから、中国政府は、日本政府に対し、A級戦犯が合祀されている靖国神社に、首相が参拝することは、日中間の合意を踏みにじる行為だから、やめてほしいと言ってくるのです」

 日中外交の歴史的経緯を踏まえれば、首相の公式参拝がいたずらに日中関係を悪化させるだけの意味のない行為だとすぐに分かるだろうに。

 中国政府が「反日」を覆って国内基盤を固めるのと同様、日本政府も何かあれば対中強硬姿勢を示して国内での支持を取り付けようとする。
 いつの時代にも、ナショナリズムは国内矛盾を隠すために利用されるのだ。


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渡瀬義孝 2008年洞爺湖サミットの開催に合わせ自転車で東京~洞爺湖~札幌1500キロを走破したツーリング洞爺湖に参加。持続可能な未来へ向けエコロジーでリベラルなライフスタイルを! yoshitaka@ihope.jp

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