Tv

原爆の「死の灰」が今も体内で放射線を出し内部被曝の原因に 長崎大学七條和子助教授らの研究グループが世界で初めて確認

2009年7月 3日 12:22 | コメント(0) | トラックバック(2)

 原爆投下で生みだされた大量の「死の灰」。
 これが原爆投下から60年以上たった今でも細胞の中で放射線を出し続け、内部被曝の原因となっている様子を、長崎大学の研究グループが世界で初めて確認した。

 細胞から伸びる2本の黒い線が放射線だ。
 被爆者は一般に強い放射線を浴びたことによる外部被爆が問題とされる。
 今回、放射性物質を体内に取り込んだことによる内部被曝もまた、確実に起きていることが明らかにされた。

 研究グループは、すでに死亡した7人の被曝者について大学に保管されていた組織を特殊な方法で撮影。
 その結果、「死の灰」が細胞の中で出す放射線を黒い線として映し出すことに成功。

 被曝から60年以上もたった今もなお、骨や腎臓などの細胞の中で放射線を出し続けている様子をとらえたのは世界初だ。

 さらに重大なのは、放射線の分析からこの「死の灰」の成分が原爆の原料であるプルトニウムであると確認されたことだ。
 半減期が何万年にも及ぶプルトニウムを環境中に放出することがどれほど危険なのかを物語っている。

 調査した七條助教授は次のように語っている。
 

 「その時だけ被曝して障害を及ぼすのではなくずっと体の中に蓄えられたものが 少しずつ少しずつですね、 体をやっぱり傷つけている可能性があるという何らかの糸口になればと思っております」

 さらに長崎大学の中島正洋准助教授の研究グループは、皮膚ガンになった被曝者を対象に手術で切除されたガンの周辺の細胞について研究を進めた。

 その結果、一見正常そうに見える細胞のDNAが傷ついているケースが多く見られることが判明。

 DNAの異常は爆心地から3キロ以上離れて被爆した人では5人のうち1人だったのに対し、 1.5キロ以内で被ばくした7人のうち5人に上った。

 原爆で被曝した人は現在も高い割合でガンになっているが、こうした患者は一見正常に見える細胞のDNAが傷ついていることも長崎大学の研究で判明した。

 研究した中島准助教授はこう語っている。
 

 「60年以上前の一回の放射線の被曝によって遺伝子に傷が入りやすいといったことが誘発されているのではないか。 それは、ガンになりやすいということを示唆するデータだと考えております」

 この研究はアメリカガン学会の学術誌「キャンサー」インターネット版に掲載されたが、今後内部被曝のリスクについてさらに研究が深まることだろう。

 ちなみに原発もまたウランを燃やして「死の灰」を作る。
 100万キロワットの原発は1年間稼動すると1トンのウランを燃やす。
 広島に投下された原爆は約1キログラムのウランが燃えたものだが、原発1基が1年間稼働すれば、それを1000倍するほどの大量の「死の灰」を出すわけだ。

 1986年4月26日、旧ソ連のチェルノブイリ原発で起きた重大事故では、広島原爆約800発分の「死の灰」が環境中に放出された。
 広大な地域が汚染され、数十万人の人たちが避難を強いられ流浪化した。

 狭い国土に地震の巣が密集するこの日本で、50基以上の原発が稼働することがどれほど危ういことなのか。
 ましてやその原発に、通常のウラン燃料よりもさらに危険性が高いプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使用するプルサーマル計画がどれほど危険なのか。

 今一度考えてみる必要がある。

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • Google Bookmarksに登録
  • はてなブックマークに登録
  • del.icio.usに登録
  • livedoorクリップに登録
  • Buzzurl(バザール)に登録

関連記事

NHKスペシャル『深層崩壊が日本を襲う』 気候変動に対応した新しい防災対策が問われている
 先日NHKスペシャルで放映されたこの番組、正直ショックを受けた。 この番組によ...
『母なる大地を守りたい ~立ち上がるアメリカ先住民~』 ウラン鉱山開発に反対するネイティブの闘いは日本の原発立地地域とまったく同じ困難を抱えている
 前編では先住民居留区での天然ガス開発に反対するシャイアンの人々や、アラスカ北極...
イギリス・チャンネル4製作『隠された被曝労働 ~日本の原発労働者~』(Nuclear Ginza)
 日本のマスコミが一切報じない原発労働者の被曝問題。 それを1995年、イギリス...
NHKスペシャル『女と男 最新科学が読み解く性』第3回「男が消える?人類も消える?」縮小を続けるY染色体は完全に消滅する運命にある
 NHKスペシャルこのシリーズの最終回は、実に衝撃的な内容。 番組紹介には以下の...
NHKスペシャル『女と男 最新科学が読み解く性』第2回「何が違う?なぜ違う?」結論を急ぐ男とプロセスを重視する女
 このシリーズの2作目は、脳科学や生物学の最新の知見を駆使し、男女の違いをより突...
NHKスペシャル『女と男 最新科学が読み解く性』第1回「惹かれあう二人 すれ違う二人」 15分間夫婦の会話を分析すれば近い将来離婚するかどうか判断できるらしい
 NHKオンデマンドで観たこの番組、なかなか興味深かった。  番組紹介には以下の...
NHKスペシャル『原発解体~世界の現場は警告する』「トイレなきマンション」=原発のリアルな問題を鋭く告発
 先日放映されたNHKスペシャル『原発解体~世界の現場は警告する』。  最大のス...
原爆の「死の灰」が今も体内で放射線を出し内部被曝の原因に 長崎大学七條和子助教授らの研究グループが世界で初めて確認
 原爆投下で生みだされた大量の「死の灰」。 これが原爆投下から60年以上たった今...
クローズアップ現代「いかせるか地熱発電 日本に眠る"巨大資源"」
 4月15日に放送されたクローズアップ現代。 取り上げたのは再生可能エネルギーと...

トラックバック(2)

トラックバックURL: http://www.ihope.jp/mt/mt-tb.cgi/241

放射能から家族を守る 便利な災害対策グッズ - 【速報】飯舘村で1万マイクロシーベルト越える (2011年4月17日 20:07)

1名前:忍法帖【Lv=12,xxxPT】(兵庫県)2011/04/17(日)17:18:47.58ID:710tESaB0●?2BP(158) 文部科学省... 続きを読む

いつも読んでいる木下黄太さんのブログ(http://blog.livedoor.jp/amaki_fan/archives/51980543.html、 ... 続きを読む

コメントする

月別アーカイブ

プロフィール

渡瀬義孝 2008年洞爺湖サミットの開催に合わせ自転車で東京~洞爺湖~札幌1500キロを走破したツーリング洞爺湖に参加。持続可能な未来へ向けエコロジーでリベラルなライフスタイルを! yoshitaka@ihope.jp

このサイトを購読する

RSS登録

  • Add to Googleに登録
  • はてなRSSに登録
  • lvedoorリーダーに登録
Loading


最近のフォト

  • Actio 2011年12月号 特集「原発再稼働は許されない」
  • 2011年11月号 特集「広がる放射能汚染にどう向き合うか」
  • Actio10月号 特集「福島で何が起きているのか」
  • Actio 2011年9月号 特集「終わらない原発震災」
  • 2011年8月号 特集「原発事故は最悪の公害」
  • Actio 2011年7月号 特集「子どもたちを放射能から守る」
  • Actio 2011年6月号 特集「原発のない社会は可能」
  • Actio 2011年5月号特集「原発はもういらない」
  • Actio 2011年4月号 特集「食の未来を創る」
  • Actio2011年3月号 特集「エネルギーは地産地消へ」

ウェブページナビ