Politics
劇場型政治で日本は変われない 政権交代へ向け国民のメディア・リテラシーが問われている
いよいよ麻生政権も末期症状。
解散・総選挙が迫っているようだ。
自民党はなりふり構わずに政権にしがみつこうと東国原宮崎県知事へオファーをかけた。
タレント知事人気にあやかろうとする自民党も自民党だが、「総裁の座を用意できるか?」と知事任期半ばにも関わらず触手を伸ばす東国原知事の姿勢もいただけない。
宮崎県民の6割以上が国政転出に反対しているが、当たり前である。
「国を変えなければ地方は変われない」との主張はその通りだろうが、だとすればなぜ自民党なのか?
構造改革を掲げて日本をここまで駄目にし、地方を痛めつけてきたのは自民党ではないか?
その自民党の政策に対する批判や総括もなく、ただ自民党の神輿に乗りたいというのであれば、東国原知事の腹の底が透けて見えるというものだ。
とにかく日本の政治はポピュリズムに溺れている。
マスコミへの露出度が事実上選挙の当落を決するような劇場型政治。
こんな政治が続く限り、本当に日本を変えることはできない。
そもそも2005年9月11日に行われた前回の総選挙こそ、劇場型政治の典型だった。
当時小泉首相は、「郵政民営化是か非か、国民に聞いてみたい」、「すべての選挙区に民営化賛成の候補者を立てる」と、郵政問題一本に選挙の焦点を絞り込んだのだ。
郵政法案に反対したものはすべて「悪役」に仕立て上げ、マス・メディアをフル活用して「小泉自民党こそが改革政党だ」との一大キャンペーン。
民主党の「売り」であったマニュフェストを通じた具体的な政策論争は、「刺客」、「くノ一」、「ホリエモン」というワイドショーネタの後景に退いた。
この「小泉劇場」の影の立役者こそ、飯島勲首相書記官だった。
彼はメディア戦略のプロ、「首相・小泉純一郎」の演出家と呼ばれ、首相へのテレビのぶら下がり取材の数を飛躍的に増やした。
さらに雑誌編集者との懇談、スポーツ紙の内閣記者会への加盟などを実施した。
なぜか?
「小泉はどんなにしゃべってもワンフレーズとよく言われる。しかし、テレビは限られた時間の中で政治・経済・社会・海外までニュース報道しなければならない。結果として報道されるのはワンフレーズになる。カメラがあると、どの映像にもワンショット、ワンフレーズ、一言が必要になる」
「国民は忙しくて新聞など読まない。テレビとスポーツ新聞を押さえればよい」
飯島はまさに、ワンフレーズ・ポリティクスを堂々と主張し、小泉に指南したのである。
実は善悪二元論を振りかざしてイラク戦争を強行したブッシュ大統領にも、まったく同じ指南役がいた。
ブッシュ自ら、勝利の「設計者(The Architect)」と呼んだ最側近、カール・ローブ大統領次席補佐官だ。
カール・ローブもまたメディア戦略に長け、イラク戦争が泥沼化し苦戦が予想されたブッシュ再選をかけた大統領選でも、「戦時の大統領ブッシュ」、「断固たる決意をもって悪と闘う強い指導者」とのイメージ戦略を全面的に駆使した。
その一方で、敵方候補に関する根拠の薄い噂話を撒き散らすネガティブ・キャンペーンを常套的に駆使したのである。
国民の中にメディア・リテラシーが定着していない日本やアメリカ。
残念ながら政策的な妥当性よりも、いかにマス・メディアをコントロールするかが選挙の勝敗を決する。
だからこそ、国民一人一人がメディア・リテラシーを高める必要がある。
メディアを社会的文脈でクリティカルに分析し、評価し、メディアにアクセスし、多様な形態でコミュニケーションを創りだす力を培わねばならない。
例えばカナダでは、メディア・リテラシーの育成が先進的に取り組まれている。
そこでは以下の視点を学ぶ。
「メディアはすべて構成されている」
「メディアは『現実』を構成する」
「オーディアンスがメディアを解釈し、意味をつくりだす」
「メディアはものの考え方(イデオロギー)や価値観を伝えている」
「メディアは社会的、政治的意味をもつ」
低劣なメディアが世論を主導する構造を断つために、メディア・リテラシーを学校教育でもきちんと教えるべきだ。
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