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北鎌尾根から槍ヶ岳へ(3)独標~北鎌平~槍の穂先 鉄の梯子は雷で帯電していた

2009年6月24日 12:35 | コメント(0) | トラックバック(0)

 独標に近づくにつれて空は雲が覆い始めた。

 ガスが出て、荒涼たる岩場が不気味に待ち受けている。

kitakama-12.JPG

 独標手前からはザレた右側のルートに回り込む。

 すぐにザイルを垂らしたチムニーがあり、これを越える。 

kitakama-13.JPG 越えたら、一見ルートは右に続くように見える。
 しかしこれには向かわず、そのままスラブを少し直上し、ハイマツ帯から右へと向かう。

 崩壊した沢をトラバースした後に、稜線上に戻る。
 そこから15分ほど行くと、再び右への巻道に入る。

 いよいよここから、北鎌尾根の核心部となる。 

kitakama-14.JPG 北鎌平までの各ピークの巻道は、98年の地震のためかかなり崩壊しており、ルートが途切れたいくつものガレた沢をトラバースする。

 最大の難所は、一度30メートルほど沢沿いに下降し、ガレた沢をトラバースした先にあった。 

kitakama-18.JPG かっての巻道は完全に崩壊しているので、崩壊箇所手前で直上し、残置シュリンゲがある少しハング気味の箇所を乗り越える。

 大きく下降する箇所はここ位で、あとは10メートル前後のアップダウンを繰り返しながら巻道を進む。

 千丈沢側に不用意に下降しすぎないよう注意が必要だ。 

kitakama-19.JPG ほぼ2時間以上緊張の連続となる厳しいルートである。

 大岩が連なるピークの巻道を進むうちに、槍の基部(遠目には、岩の小屋のように見える)が望める。

 おおよその見当をつけて、稜線上へ戻る道を模索し、ケルンなどを頼りに北鎌平へ出る。
 この頃にはすでに小雨が降り出し、天候は徐々に悪化していた。
 雨が本降りになる前に槍の穂先を通過したいと少し焦る。

 疲労はかなり蓄積していたが、あまり長い休憩はできない。
 北鎌平からさらに一端右の巻道へと入り、30分ほどで槍の基部へと再び出た。

 いよいよここを登れば槍ヶ岳の頂上だ。
 槍の基部の取り付きは、左側から回り込んで直上し、残置シュリンゲなどを目標に二つのチムニーを越える。 

kitakama-15.JPG 腕力のある男性には比較的簡単だが、女性にはかなり厳しい。
 雨で岩場が滑る。
 半ば引っ張り上げるようにしてザイルで確保し、サポートする。 

kitakama-16.JPG チムニーを越えたらそのまま直上。
 周りはガスに覆われていてよく分からにうちに、気がつけば槍の穂先の祠裏手に出ていた。 

kitakama-17.JPG しかし雨は強まり、なんと雷まで鳴り出した。
 ほっとする暇もなく穂先から下山を開始。

 冷たい雨が体を冷やしていく。
 鎖や梯子は凍えて握れないほどだ。
 おまけに雷のせいか、ビリビリと帯電している。

 いつ雷が落ちてもおかしくない危険な状況に肝を冷やしながら肩の小屋に逃げ込んだ。
 後続のパーティもなんとか無事に次々と到着。

 なかなかスリリングな登山だったが、最後まで天候がもてば槍の穂先からの景色は最高だっただろうと少し悔やまれた。
 
 ちなみにこのアタックへ向けた下見段階で作成したルート図は以下の通り。

   (PDF版はこちら  kitakama-route.pdf )
kitakama-route.jpg 

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渡瀬義孝 2008年洞爺湖サミットの開催に合わせ自転車で東京~洞爺湖~札幌1500キロを走破したツーリング洞爺湖に参加。持続可能な未来へ向けエコロジーでリベラルなライフスタイルを! yoshitaka@ihope.jp

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