Outdoor
北鎌尾根から槍ヶ岳へ(3)独標~北鎌平~槍の穂先 鉄の梯子は雷で帯電していた
独標手前からはザレた右側のルートに回り込む。
すぐにザイルを垂らしたチムニーがあり、これを越える。
越えたら、一見ルートは右に続くように見える。
しかしこれには向かわず、そのままスラブを少し直上し、ハイマツ帯から右へと向かう。
崩壊した沢をトラバースした後に、稜線上に戻る。
そこから15分ほど行くと、再び右への巻道に入る。
いよいよここから、北鎌尾根の核心部となる。
北鎌平までの各ピークの巻道は、98年の地震のためかかなり崩壊しており、ルートが途切れたいくつものガレた沢をトラバースする。
最大の難所は、一度30メートルほど沢沿いに下降し、ガレた沢をトラバースした先にあった。
かっての巻道は完全に崩壊しているので、崩壊箇所手前で直上し、残置シュリンゲがある少しハング気味の箇所を乗り越える。
大きく下降する箇所はここ位で、あとは10メートル前後のアップダウンを繰り返しながら巻道を進む。
千丈沢側に不用意に下降しすぎないよう注意が必要だ。
大岩が連なるピークの巻道を進むうちに、槍の基部(遠目には、岩の小屋のように見える)が望める。
おおよその見当をつけて、稜線上へ戻る道を模索し、ケルンなどを頼りに北鎌平へ出る。
この頃にはすでに小雨が降り出し、天候は徐々に悪化していた。
雨が本降りになる前に槍の穂先を通過したいと少し焦る。
疲労はかなり蓄積していたが、あまり長い休憩はできない。
北鎌平からさらに一端右の巻道へと入り、30分ほどで槍の基部へと再び出た。
いよいよここを登れば槍ヶ岳の頂上だ。
槍の基部の取り付きは、左側から回り込んで直上し、残置シュリンゲなどを目標に二つのチムニーを越える。
腕力のある男性には比較的簡単だが、女性にはかなり厳しい。
雨で岩場が滑る。
半ば引っ張り上げるようにしてザイルで確保し、サポートする。
チムニーを越えたらそのまま直上。
周りはガスに覆われていてよく分からにうちに、気がつけば槍の穂先の祠裏手に出ていた。
しかし雨は強まり、なんと雷まで鳴り出した。
ほっとする暇もなく穂先から下山を開始。
冷たい雨が体を冷やしていく。
鎖や梯子は凍えて握れないほどだ。
おまけに雷のせいか、ビリビリと帯電している。
いつ雷が落ちてもおかしくない危険な状況に肝を冷やしながら肩の小屋に逃げ込んだ。
後続のパーティもなんとか無事に次々と到着。
なかなかスリリングな登山だったが、最後まで天候がもてば槍の穂先からの景色は最高だっただろうと少し悔やまれた。
ちなみにこのアタックへ向けた下見段階で作成したルート図は以下の通り。
(PDF版はこちら
kitakama-route.pdf )
関連記事
- 北海道支笏湖を望む樽前山にお手軽ハイキング 溶岩ドームからは火山ガスが噴き出していた
- 2005年10月、札幌で所要があり、その後友人と一緒に支笏湖そばの樽前山にハイ...
- みたらい渓谷から大峰八経ケ岳へ 弥山小屋宿泊のお気軽ハイキング
- 2005年10月、大阪在住の際、友人たちと登った大峰八経ケ岳。 紅葉前だったが...
- 水のウォーク1日目(2)錦川の清流を壊す平瀬ダム建設計画 八ッ場ダム同様本体工事を中止し多様な治水対策を
- 今回の水のウォークの主旨の一つは、錦川上流に計画されている平瀬ダムの建設中止を...
- 水のウォーク1日目(1)錦川清流線に乗り錦町へ 川には錦鯉が泳いでいた
- 水のウォーク1日目、地元の人たちは錦川上流で森林保全活動に取り組んだが、私は自...
- 森~川~海 いのちと平和つなげよう!水のウォーク カヌーと自転車のコラボで山口県錦川を下りスナメリが泳ぐ瀬戸内上関へ
- 美しい清流で知られる山口県東部の錦川。 今この川の上流にもダム建設問題が持ち上...
- 世界遺産白神山地ツアー(2)目屋マタギは冬眠明け1週間前後の熊しか狩猟しない
- バッファ・ゾーンの縁を尾根沿いに歩き始めてから、約20分ほどで高倉森山頂に着い...
- 世界遺産白神山地ツアー(1)白神マタギ工藤光治さんの案内でブナの生い茂る高倉森自然観察歩道を歩く
- 2004年7月16日、世界遺産登録地域白神山地の青森側、高倉森自然観察歩道を訪...
- 西湖から鬼ケ岳 目の前に富士山が迫るお薦めハイキングコース
- 関東地方は梅雨明け。 夏山シーズンにお薦めのハイキングコースを紹介。 200...
- 黒百合ヒュッテから南アルプス天狗岳 100名山踏破を目指すオーストラリア人青年はすごかった
- 2007年9月25日~26日、南アルプス天狗岳に登った。 1日目はまず渋の湯...
- 沖縄慶良間諸島・渡嘉敷島 コバルトブルーの海で体験ダイビング
- 2006年4月、所要で沖縄を訪れた際に渡嘉敷島を訪れた。 どうしてもダイビング...
トラックバック(0)
トラックバックURL: http://www.ihope.jp/mt/mt-tb.cgi/208

コメントする