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樋口健二写真集『原発』 隠された被曝労働者
樋口健二は1937年、長野県富士見町に生まれた。
東京総合写真専門学校を卒業し、その後同校の助手を経てフリーカメラマンに。
この写真集には、1973年から1995年までに日本各地の原発建設地(予定地も含む)で撮影した写真が収められている。
それはまさに、日本の原発史の真実の姿をあぶり出すものだ。
1950年代、原子力の平和利用が謳われ、高度成長期の70~80年代、各地で原発建設が行われた。
原子力はクリーンな未来のエネルギーと宣伝される中、樋口は何度も原発立地地域へ足を運んだ。
元原発労働者やその家族、地元住民の生の声。
そのリアリティを切り取る写真。
樋口が原発問題に取り組み始めたのは、四日市の公害問題の取材を終えて間もなくのことだった。
1973年11月、柏崎に通い始めてから何回目かの地元住民主催の学習会で、講師の話が原発労働者の被曝に及び、その話に釘付けになった。
それから間もなくして、樋口の「被曝者探し」の旅が始まった。
しかし、原発労働者はなかなか口を開いてくれなかったそうだ。
そんな中、我が国初の原発被曝裁判を提訴した岩佐嘉寿幸さんと出会う。
これをきっかけに原発労働者との関わりはさらに深まっていった。
樋口は著書『闇に消される原発被曝者』(三一書房)のあとがきの中で、次のように語っている。
「私は巨大科学としてしか、原発をとらえない人々に対して、被曝者が居ないだけでなく、居ないことにしている体制を知ってほしいという願いを込めて、今まで取材をつづけてきた」
原子力エネルギーを利用し、「豊な」生活を送っている私たち。
それがどんな人たちの犠牲の上に成り立っているのか。
この写真集は強く問いかけている。
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