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樋口健二写真集『原発』 隠された被曝労働者

2009年6月19日 13:54 | コメント(0) | トラックバック(0)

 樋口健二は1937年、長野県富士見町に生まれた。
 東京総合写真専門学校を卒業し、その後同校の助手を経てフリーカメラマンに。

 この写真集には、1973年から1995年までに日本各地の原発建設地(予定地も含む)で撮影した写真が収められている。
 それはまさに、日本の原発史の真実の姿をあぶり出すものだ。

 1950年代、原子力の平和利用が謳われ、高度成長期の70~80年代、各地で原発建設が行われた。
 原子力はクリーンな未来のエネルギーと宣伝される中、樋口は何度も原発立地地域へ足を運んだ。

 元原発労働者やその家族、地元住民の生の声。
 そのリアリティを切り取る写真。

higuchi.jpg 「高度な科学技術による、最新のコンピュータ制御によって運転される原発」と国や電力会社がアピールするような姿からは想像もできない現実が写し出されている。

 樋口が原発問題に取り組み始めたのは、四日市の公害問題の取材を終えて間もなくのことだった。
 1973年11月、柏崎に通い始めてから何回目かの地元住民主催の学習会で、講師の話が原発労働者の被曝に及び、その話に釘付けになった。

 それから間もなくして、樋口の「被曝者探し」の旅が始まった。
 しかし、原発労働者はなかなか口を開いてくれなかったそうだ。

 そんな中、我が国初の原発被曝裁判を提訴した岩佐嘉寿幸さんと出会う。
 これをきっかけに原発労働者との関わりはさらに深まっていった。

 樋口は著書『闇に消される原発被曝者』(三一書房)のあとがきの中で、次のように語っている。

 「私は巨大科学としてしか、原発をとらえない人々に対して、被曝者が居ないだけでなく、居ないことにしている体制を知ってほしいという願いを込めて、今まで取材をつづけてきた」

 原子力エネルギーを利用し、「豊な」生活を送っている私たち。
 それがどんな人たちの犠牲の上に成り立っているのか。
 この写真集は強く問いかけている。

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渡瀬義孝 2008年洞爺湖サミットの開催に合わせ自転車で東京~洞爺湖~札幌1500キロを走破したツーリング洞爺湖に参加。持続可能な未来へ向けエコロジーでリベラルなライフスタイルを! yoshitaka@ihope.jp

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