Economy
ジャパン・マネーが支えたアメリカの過剰消費 他国を潤して国民の生活を省みない政府などいらない
昨年リーマンショックが起きるまで、ほとんどの経済アナリストは楽観的な未来を夢見ていた。
小泉構造改革により、日本の金融市場を席巻した外国勢は、莫大な利益を獲得していたからだ。
海外から日本に投資された株式評価益は、2003年度と2004年度の合計で24兆円にも上っていた。
これを可能にしたのは、日米の「デット・エクイティ・スワップ(債務と株式の交換)」だ。
日本マネーが米国債などのアメリカのデット(債務)を購入し、アメリカを中心とした外国勢が日本のエクイティ(株式)に投資する。
こんな資金サイクルが確立していた。
日本の証券投資を専門とする資産運用会社アーカス・インベストメントの共同創設者のピーター・タスカ氏は、2004年のアメリカ大統領選挙を前に、皮肉を込めて次のように語っていた。
「戦争をしながら減税も行い、政府機能も拡大する『ブッシュノミクス』が可能なのは、日本が気前よく金を貸してくれるおかげだ。秋の大統領選で再選されたら、ブッシュは日本政府に当選御礼のメッセージを送るべきだろう」
「ここで浮かんできた疑問に、誰か答えてくれないだろうか。日銀はアメリカの減税を間接的に支えているのに、なぜ日本の減税を直接支えないのか。日本政府はイラクの経済復興を支援しているのに、なぜ破綻寸前の日本の地域経済を立て直そうとしないのか」
日本が持っているアメリカの国債は、政府・民間を合わせて430~500兆円。
アメリカ国債の約40パーセント、毎年50兆円前後も日本が買い支えている。
サブプライムローンに象徴されるアメリカの借金経済は、こうして初めて成立したのだ。
2000年のITバブル崩壊以降、こうした潤沢な海外からの資金流入を前提に、FRB(連邦準備制度理事会)は金利を低い水準まで下げた。
その結果ローンが借りやすくなり不動産バブルが生み出された。
金を使いすぎて景気が過熱すれば金利は高くなり、金融が縮小していくのが通常の経済サイクルだ。
ところが、いくら借金して赤字となっても海外からの資金流入で金融が縮小せず、インフレなきバブル経済という二律背反した構造を無理やり維持したのがアメリカ経済なのだ。
実際にアメリカの投資の4分の3程度が海外からの資金流入によって賄われており、アメリカへの純資金流入は2005 年には97年比で4倍近くになっている。
こうした事態について、米経済戦略研究所のクライド・プレストウィッツ所長はこう語っていた。
「レクサスはいいクルマだ。トヨタは米国人に売っていると思っているが、我々は日本のクルマを日本人のカネで買っている。米国にとってこんなうれしいことはないが、こんなことがいつまで可能なのか」
日本企業が必死の思いで生産性を上げ、省エネやリストラをして競争力を高め、黒字を稼ぎ出しても、稼いだ資金はアメリカ人の過剰消費に回されただけだ。
そればかりか、日本から還流してくる潤沢な資金を元手にアメリカの金融・証券会社が日本の株式市場を席巻してぼろ儲けしていった。
これでは日本の労働者がどれだけ必死に働いても、一向に生活が良くならず、格差が拡大するのも無理はない。
おまけにバブル崩壊でもっともダメージを受けたのも労働者。
こんな経済政策を続けてきた自民党、公明党には政権から降りてもらうしかない。
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